嫌いだったのに好きになったもの、変わらずずっと好きなもの。
母親から「ポンコツ」「虚弱」「何もできないひよわ」と言われ続けて育ち、自分でも自分は運動が出来ないと信じ続けていた。
生きていくのがしんどいのも、自分がうんどうが出来なくて、体力がないからだと思っていた。
運動は出来ないし、しんどいし、面白くないし……
実際、スポーツの大半は出来なかった
球技は出来ない。ボールの軌跡が読めないから。
陸上競技は出来ない。走るのが遅いから。
器械体操は出来ない。逆上がりも出来ない。
体育の成績が一番悪くて、それを怒られる。
子供は元気が一番なのに、なんで体育が出来ないのか……
体を動かすこととは無縁の人生だと思っていた。
学校行事の登山でも、運動部男子たちが先々行く中、最後尾をぜぇぜぇ言いながらなんとかついていった。
なんで山登るねん、虫多いし、しんどいし、ロープウェイとかで登れるところだけでいいやんか……
大学時代の貧乏旅行で、歩くことの楽しさを知る
明日のごはんには困らないけど、来週のごはんには少し困るぐらいの貧乏生活をしていた大学時代。長期休暇にバイトを詰め込んで、そのお金で貧乏旅行をしていた。
夜行バス、カプセルホテル、空港泊なんでもござれ。
交通費だってできるだけ安く抑えるため、多少なら歩いた。
田舎に行くと、2時間に1本のバスなんてざらで、徒歩40分の距離にある駅のために2時間待つぐらいなら、節約ついでに歩けばいいやと思い始めた。
とある展望台に行くときも、徒歩45分の登り道を歩いた。
すぐ横に牧場があって、黒毛の和牛が見えたり、展望台じゃないところですごく景色がひらけていたり、そんな感じで楽しんでいたらいつの間にか展望台についていた。
45分坂を登れるなら、もしかしてハイキングコースの紅葉や新緑を見に行けるのでは……?
やたら階段が多い神社だって行けるのでは……?
そうやって少しずつ少しずつ活動量が増えていった。
登れば登るほど、歩けば歩くほど、頂上の景色は美しいし、ご飯はおいしくなる。(ほんとです)
いつの間にか登山が趣味になる
あんなに嫌いだった登山が、今では趣味になっている。
職場の登山クラブに入れてもらっているぐらい、結構楽しくやっている。
私は学校のスポーツは出来ないけれど、登山は嫌いじゃなかった。
どんな運動も出来ないポンコツというわけではなかった。
暗示から少しずつ離れられて、新しい楽しみを見つけることが出来た話。
変わらずずっと好きなもの
居間に居場所がなかったので、自室にひきこもって過ごしていた実家時代。
手芸とゲーム、読書みたいな自室で静かにできるものは大好き。
それらは今も変わらず好きなもの。
少しずつ好きなものを増やして、好きなもので人生を埋め尽くしていきたいな。